美容医療も身近になってきた近年、光美容もよく聞く言葉ではないでしょうか?化粧品でも肌に良い光だけを通す日焼け止めが開発されたり、家庭用美顔器も一般的になりつつあります。
結論から言うと、『光は良い面も悪い面もある刺激であり、太陽光は肌にとっては基本的に管理すべき存在』です。
この記事では、そのような「光」について解説します。”取り入れる光”と”管理した方がいい光”を学んでいきましょう!
光の種類と波長について
私たちが浴びている光は、すべて同じではありません。光は波長(nm)によって性質が大きく異なり、肌への影響も変わります。

- 紫外線(UVとも言われる:280~400nm)
- 波長が短く、エネルギーが強い光
- 肌に悪い
- 可視光(400~700nm)
- 目に見える光
- ブルーライト(400~500nm)を長時間or多く浴び続けると肌に悪いとされている
- 赤色光(640~770nm)は肌に良い影響を与えるとされている
- 近赤外線(700~2500nm)
- 波長が長い
- 長時間or多く浴び続けると肌に悪い
また、太陽光は”複数の光の集まり”なので管理すべき光と言えます。
美容面での光の働き
①紫外線(UV):悪い働きをする
- UVB:肌の浅いところ(表皮)へ届き、日焼け・炎症・DNA損傷などを引き起こす
- UVA:肌の少し深いところ(真皮)へ届き、ハリ成分を壊すためたるみ・シワ・酸化を引き起こす
紫外線による悩みの復習▼
- UVBについてはこちら▶【メラニン悩みとは?】シミ・くすみの原因・特徴・改善ポイントを3分で専門的にわかりやすく解説
- UVAについてはこちら▶【光老化とは?】たるみ・シワ・シミ・茶くすみの原因・特徴・改善ポイントを3分で専門的に解説
②可視光(ブルーライト):浴びる量や時間によって良い面も悪い面も
- ブルーライト:太陽光レベルのブルーライト(長時間or多くの量)はメラニン生成や酸化ストレスを促進し、くすみ・色素沈着の原因になる。スマホやPCは美肌に影響があまりないと言われるが太陽光由来のブルーライト量は桁違いに多い。
- しかし、短時間のブルーライト照射はニキビ治療(アクネ菌減少よりも炎症を改善する)や血流改善に効果的だという報告もある
参考文献はこちら▼
③可視光(赤色光):良い働きをする
- 表皮細胞の増殖や炎症軽減を促す効果がある
- 肌の保水能力やハリ成分を生み出す
参考文献▼
- 赤色光に表皮細胞の増殖を促す効果と皮膚の炎症軽減を促す効果があることを発〈資生堂〉
- 老化を抑制する赤色光に新たな作用を発見ーシワの原因となる好中球を皮膚に集めにくくする可能性〈ポーラ・オルビス〉
- 赤色光で、ハリ肌を〈ポーラ・オルビス〉
④近赤外線:浴びる量や時間によって良い面も悪い面も
- 太陽光レベルの近赤外線(長時間or多くの量)は表皮細胞の増殖を妨げ、うるおいによるハリを奪う
- 太陽光レベルの近赤外線(長時間or多くの量)はコラーゲンやエラスチン等のハリ成分を破壊し、肌のハリや弾力を奪う
- しかし、短時間の管理された照射だと肌のターンオーバーを促進したり、コラーゲン生成のサポートをしてくれる
参考文献はこちら▼
近赤外線(IRA)によるヒト表皮細胞の増殖抑制作用とーそのメカニズム解明についての研究成果〈大塚製薬〉
環境ストレスから肌を守るという考え方
この記事では、これまで『光』に焦点を当ててみていきましたが、光だけでも肌に多くの影響を受けます。私たちの肌は、光・温度・湿度といった環境ストレスの影響を非常に強く受けます。
- 気温が上がると皮脂が流動化する
- 光刺激で酸化・炎症が進む
- それが、ベタつき・くすみ・化粧崩れにつながる
だからこそ、必要なのは『刺激を足すケア』よりもまずは『環境を整えるケア』
光も温度も浴びる前提ではなく「どう守るか」が大切です。
まとめ
- 太陽光は基本的にカットすべき刺激
- ブルーライト・近赤外線の影響が大きいのは太陽光レベル
- 肌に良い光は、管理された条件下でのみ意味を持つこともある
肌を健やかに保つ近道は、
“自然に任せること”ではなく、“環境から守ること”。


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