暑くなると、級にテカりやすくなったり、毛穴が開いたり、夕方には乾燥を感じたり―――。「暑いから汗をかく」だけでは説明できない変化が肌に起きています。
実は、半袖の目安と言われる『28℃』前後になると、皮脂分泌が一気に増えやすくなる皮脂スイッチが入るためです。
この記事では、暑い日に肌が不安定になる科学的な理由と、必要なスキンケア、そして参考になるエビデンスまでわかりやすくまとめます。
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夏日と皮脂の融点|28℃前後で皮脂環境が大きく変わる
気象庁では、最高気温が 25℃以上の日を「夏日」 と定義しています。
25℃を超えると、体は体温を逃がすために 汗をかきやすくなり、皮膚表面の温度も上昇しやすい 状態になると言われています。
ただし、
肌の“体感的な変化”がより大きく現れるのは 25℃ではなく、28℃前後 と考えています。
その背景の一つとして、
『皮脂の融点はおよそ30℃前後』『半袖の目安が28℃』 とされており、気温が28℃付近に近づくと皮脂がゆるみ、テカり・べたつき・メイク崩れを感じやすい 人が増えます。
なぜ28℃で皮脂が急に増えるのか?根本理論
皮脂腺は温度刺激に敏感です。
■エビデンス①温度変化で皮脂分泌が上昇する
参考文献▶四季の肌への影響〈株式会社資生堂〉
→皮膚温が4℃上昇すると皮脂量が2倍になる
■エビデンス②環境温度が上がるほど皮脂腺が刺激されやすい
→ 人工気象室の実験で、温度上昇により皮脂腺の活動が高まる可能性があると報告。
■エビデンス③30℃前後で皮脂の流動性が増す
外気温が上昇し体表面温度が高くなると、皮脂は軟化・液化し、ベタつきやテカリとして感じられる。
28℃は”皮脂スイッチ”が入りやすい温度帯
- 温度が上がると皮脂分泌が促進
- 皮脂が柔らかくなり表面に出やすい
- 汗・皮脂・角質が混ざりやすくなる
だから、28℃前後は肌トラブルが増えやすいのです
暑い日に起きる肌トラブル(混合肌・脂性肌ほど起こりやすい)
① テカリ・メイク崩れ
皮脂が一気に増え、Tゾーンから広がりやすい。
② 毛穴の開き・黒ずみ
皮脂の拡散+汗+紫外線により、毛穴周りが炎症・酸化しやすくなる。
③ インナードライ(内部が乾く)
外はベタつくのに、角層は汗・空調で水分が抜けやすい。
④ ニキビ・吹き出物
湿度・汗・摩擦の影響で角質肥厚が起こりやすい。
暑い日に必要なスキンケアは”軽さ×水分保持”
気温が高い日は「高保湿=正解」ではありません。
重い化粧水や乳液を使うと、夏日の蒸れ・ベタつき、スキンケアへのストレスをさらに助長します。
暑い日に合うケアのポイント
①テクスチャは心地よいものを使う
皮脂が多い場合はベタつきにくく、なじみやすい化粧水が快適。薬機法では言えませんが、軽めの化粧水の中にも『肌自体のセラミド産生を促してくれる』ものもあります。
②皮脂バランスを整える成分を
- ナイアシンアミド
- アゼライン酸
- アミノ酸
- グリチルリチン酸2K(炎症ケア)
③皮脂が気になる場合は油分は少なめでOK
よく「乳液とクリームは必須」というメーカーもありますが、そんなことはありません。個人によっては天然の脂である皮脂がもともと多い人もいます。そういう方にとって、油分を重ねすぎてしまうと翌朝の毛穴詰まりやスキンケアへのストレスを引き起こしてしまうのでお勧めできません。
肌は『水分・油分のバランス』が大事なので、化粧水+軽めの乳液だけでOKです。
暑い日の生活で気をつけたいこと
- 洗いすぎない(皮脂のリバウンドを防ぐ)
- 紫外線対策は必須(皮脂分泌促進・皮脂酸化が進む)
- クーラーの直風を避ける
- メイクをしていない日でもベタつきが気になったらクレンジング
- 乳液・クリームは“重ねすぎ”ない
まとめ
暑くなると急にテカり・毛穴の開き・夕方の乾燥が気になりやすくなるのは、「汗」だけが原因ではありません。
半袖の目安とされる 28℃前後 は、皮脂がゆるみ分泌が一気に増えやすい“皮脂スイッチ”が入る温度帯。皮脂の融点が30℃前後であること、人工気象室で温度上昇により皮脂腺が活発化した研究などが根拠です。気温が28℃付近に近づくと、皮脂が柔らかく流れやすくなり、汗・角質と混ざってメイク崩れや毛穴トラブルが起こりやすくなります。
暑い日は軽いテクスチャの化粧水で水分を補い、ナイアシンアミドなどで皮脂バランスを調整するケアが快適。油分は多すぎると詰まりの原因になるため、化粧水+軽い乳液で十分です。洗いすぎず、紫外線・空調にも注意しましょう。
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