寒い日になると、乾燥・粉ふき・つっぱり・赤みが目立ちやすくなります。また、これらの肌悩みは『スキンケアをしているのに解決しない』と悩む方も多いです。
実はこれらは「湿度が低いから乾燥する」だけではありません。
最低気温15℃となると長袖の羽織ものを着る目安となりますが、気温が15℃以下になると、角層のバリア機能が低下し、水分保持力が急激に落ちやすいという生理的な理由があります。
この記事では、寒い日の肌トラブルが起きる科学的な背景と、その日に必要なスキンケアをわかりやすく解説します。
気温15℃以下で肌環境が変わる
気象庁では厳密な「寒い日」の定義はないものの、美容・皮膚科学では
“肌の水分保持力が落ち始める気温の目安=15℃前後”
とされることが多いです。
- 気温が下がる
→ 皮膚温も低下
→ 血行・代謝・皮脂分泌が低下
→ バリア機能が弱まり、水分蒸散が増える
つまり、寒い日の肌は”「乾燥しやすい条件がそろいすぎている」状態”です。
寒い日に起こる肌トラブル(混合肌・乾燥肌に多い)

① 化粧水が入りづらい・浸透しにくい感覚
乾燥の初期では、血行不良による栄養・酸素不足が起こりやすい。肌温が低いため、ターンオーバーが遅くなり古い角質が溜まりやすい。
② 血行低下によるくすみ
冷えによってターンオーバーが遅くなったり酸素供給が落ちたりし、顔色が暗く見える。
ターンオーバーの復習▶【表皮の役割とは?】肌荒れの原因とも深く関わる知識をわかりやすく解説|3分でわかる美容知識 基礎④
③ つっぱり・粉ふき
角層の水分量が低下し、表面がめくれやすい。ファンデーションをつけても浮いてしまう原因です。
④ 皮脂が出ないのに乾燥しすぎて赤みが出る
寒さで皮脂分泌が減るため、肌表面が無防備に。外部刺激にも弱くなります。
⑤ バリア機能低下による刺激・ヒリつき
気温+湿度の低下で角層の結合(角質細胞間脂質)が乱れやすい。
寒い日はなぜ乾燥しやすいのか?
■ 低温の血行不良から角層が硬くなり、水分保持力が低下する
低温環境は血行不良を引き起こしターンオーバーを遅くする。また角層の脂質配列を乱し、水分蒸散(TEWL)が増えると報告。
■ 気温が低いと皮脂分泌が低下する
皮脂の流動性は温度に強く左右され、低温では固まりやすく、分泌・拡散が減少。
■ 乾燥&寒冷環境は炎症を起こしやすい
皮膚科領域のレビューでは、
低温 × 低湿度は角層に微細な炎症を誘発し、敏感状態を引き起こしやすいとされる。そうすると乾燥が悪化しやすくなってしまう。
寒い日の肌=皮脂も水分も低下する“乾燥のダブルパンチ”
- 皮脂…出にくくなる
- 水分…奪われやすくなる
- バリア…乱れやすくなる
だから、寒い日は夏とは逆で『“心地よい重さと保護”が必要な日』です。
寒い日に必要なスキンケアは”保湿×保護×抗炎症”
① バリア強化成分を中心に
- セラミド
- スフィンゴ脂質
- アミノ酸系保湿
- PCA-Na
② 乳液・クリームは必須(重ね方が重要)
乳液で水分を包み、クリームでふたをする二段構えが乾燥対策の基本。乳液がクリームのなじみを良くしてくれる使用感の良さも感じれる。
③ 乾燥後はクレンジングは“落としすぎない”ものに変更
乾燥してしまうと、クレンジング力が強いものは刺激になりやすい。
④予防的に抗炎症成分を取り入れる
乾燥がひどすぎると炎症状態に。グリチルリチン酸ジカリウム等を取り入れる。
寒い日に気をつけたい生活習慣
- 長時間の暖房直撃を避ける
- 入浴後は3分以内に保湿
- 服の摩擦(マフラー・タートル)に注意
- 血流を上げる軽い運動やストレッチ
- 睡眠不足の改善(ターンオーバーが乱れやすい)
寒い日の肌を整えるまとめ
寒い日は、皮脂分泌の低下と角層バリアの乱れが同時に起き、水分が奪われやすい環境になります。
気温15℃以下は特に“乾燥加速ゾーン”といわれ、粉ふき・赤み・つっぱりが増えやすい温度帯。
保湿と保護を重視したスキンケアで、冬特有の揺らぎを防ぐことができます。
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